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Rで高次元データを見る「tour」とは:10月1日にオンライン講座

高次元データを低次元射影のアニメーションで探索するRワークショップが、2026年10月1日に開催されます。講座の対象者と参加方法に加え、tourの仕組み、静的な射影との違い、tourrで試す際の注意点を整理します。

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こはるの読みどころ

PCAの2次元図だけでは見え方を決めきれないと感じている方へ。講座に参加するか、まずtourrを手元で試すかを判断するための読みどころです。

こはるの読みどころ

変数が増えるほど、分析結果を一枚の図に収めるのは難しくなります。PCAで第1・第2主成分を描けても、その平面に現れないクラスターや外れ値はないのか、という疑問が残ります。

そんな高次元データをRでどう見るかを扱うオンライン講座「Visualising High-dimensional Data with R」が、2026年10月1日に開催されます。講師は、高次元データの対話的可視化を研究するMonash UniversityのDianne Cook氏です。

講座の中心にあるのは、低次元への射影を一つに固定せず、連続的に動かして観察する「tour」という考え方です。ここでは、tourで何が見えるのか、Rではどう試せるのか、そして誰に向く講座なのかをつなげて見ていきます。

一枚の2次元図だけでは高次元の構造を見落としうる

高次元データとは、一つの観測対象について多くの変数を測ったデータです。たとえば、個体ごとに6種類の形態測定値があれば、各個体は6次元空間の一点として表されます。画面に6本の直交軸をそのまま描くことはできないため、実際には1次元や2次元へ写して観察します。

PCAも、そのための代表的な方法です。ただし、第1・第2主成分の散布図は一つの射影であり、別の方向から見たときだけ現れる構造までは自動的に並べてくれません。tourrの原論文は、tourをクラスター、外れ値、非線形な依存関係などを探すために、複数の低次元射影を滑らかに見せる方法として説明しています。

これはPCAを置き換えるというより、固定した要約を別の角度から点検する道具と考えると分かりやすいです。Cook氏とUrsula Laa氏の高次元データ可視化のオンライン書籍も、線形・非線形の次元削減、クラスタリング、分類モデルの診断までを、低次元射影でデータとモデルを見る流れとして扱っています。

tourは射影面を動かしてクラスターや外れ値を探す

データ行列を X、2次元の射影基底を F とすると、画面に描く座標は X F です。tourは F を少しずつ変え、点群が回転・変形して見える連続的なアニメーションを作ります。

書籍の導入章では、主なtourを三つに分けています。grand tourは多くの射影を広く見渡し、guided tourはクラスターや異常といった指定した構造が強く現れる方向を探し、radial tourは特定の変数を射影から外したり戻したりして、その変数への依存を確かめます。

歴史をたどると、滑らかな低次元射影列を生成するgrand tourはAsimovが1985年に示した方法に基づきます。Rの tourr パッケージを解説した論文は2011年に公開され、grand、guided、littleなど複数のtourと表示方法をRから扱える形に整理しました。現在の道具につながる考え方が、長く改良されてきたと分かります。

tourrでは6次元の点群を数行で動かせる

現在のtourr公式サイトには、付属の flea データにある6個の数値変数を2次元の散布図として動かす例があります。まずは次の最小例で、射影ごとに点群の重なり方がどう変わるかを観察できます。

r
install.packages("tourr")

library(tourr)

flea_variables <- flea[, 1:6]
animate_xy(flea_variables, col = flea$species)

animate_xy() の既定値は2次元のgrand tourです。アニメーションが文書内で大量の静止画として評価される場合があるため、Quarto文書のチャンクではなくIDEのコンソールから動かすことが公式サイトで案内されています。環境によっては別のグラフィックスデバイスも必要です。

自分のデータへ移るときは、変数の尺度を先に見ておきたいところです。tourrの変更履歴では、1.2.0から rescale の既定値が FALSE になっています。桁の大きい変数が射影の見え方を支配しないよう、標準化するのか、元の単位を残すのかを分析目的に合わせて明示的に決める必要があります。

10月1日の講座はR経験者の次の一歩に向いている

講座は、日常的に高次元データや高次元モデルを扱う科学者・データサイエンス実務者を対象としています。クラスター、外れ値、非線形な関係を見つけ、それを教師あり分類、クラスター分析、非線形次元削減とどう結び付けるかを学ぶ構成です。

前提は、Rを十分に使えることと、多変量統計またはデータマイニングの背景があることです。Rそのものの入門講座ではありません。同名の既存チュートリアル資料には tourr、mulgar、geozoo、GGally、randomForest、mclust などの準備例がありますが、これは過去の別講座の資料であり、2026年10月1日の確定教材として告知されたものではありません。概念と必要環境を先取りする参考資料として見るのが安全です。

開催は2026年10月1日10:00〜12:00 CESTで、日本時間では同日17:00〜19:00に相当します。最低参加費は20ユーロ、20米ドル、または800ウクライナ・フリヴニャです。告知にある支援先へ寄付し、メールで届く寄付証明を保存して、スクリーンショットを登録フォームへ添付します。登録確認は即時ではなく、開催日の1日前に送られる予定です。

高次元を見る目的が「変数間の関係」ならtourが効いてくる

変数が多いだけで、いつでもtourが必要になるわけではありません。Cook氏らの解説は、高次元可視化の目的を変数間の関連を学ぶことに置き、関連がなければ一変量の可視化で足りる場合があると指摘しています。

反対に、PCAやクラスタリングの結果だけでは、どの方向で群が分かれ、どの変数を外すと構造が消えるのか判断しにくいとき、tourは探索の幅を広げます。ただし、アニメーションの一瞬に見えた形だけで結論を固定せず、再現可能な射影、モデル評価、統計的な検討へつなげることが大切です。

冒頭の疑問への答えは、「最良と思われる一枚だけで高次元空間を代表させない」ことです。Rを使った多変量解析に慣れ、静的な次元削減の先までデータを見たい人にとって、この講座はtourを分析の道具箱へ加える入口になります。まず公式の最小例を動かして見え方を確かめれば、参加前に自分の課題との接点も整理しやすいですね。

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